「粘度が同じ」だけでは決められない

グリースは基油、増ちょう剤、添加剤、ちょう度などの組み合わせで性質が変わります。同じような外観や粘度でも、低温トルク、樹脂への影響、飛散、蒸発、音、操作感は一致しません。まずは使用条件と、合格・不合格を判断する評価項目を整理します。

最初に確認する6項目

材質樹脂種、金属、ゴム、表面処理、接触する相手材
温度始動時・定常時・周囲温度、温度サイクル
荷重・速度接触圧、回転・摺動速度、頻度、ストローク
動きの品質トルク、異音、操作感、ダンピング、飛散
製造条件塗布量、塗布方法、組立工程、洗浄、保管
寿命・規制期待寿命、環境条件、対象市場、必要資料

1. 材質は「樹脂」だけで終わらせない

樹脂の種類だけでなく、グレード、フィラー、成形条件、残留応力、相手材も確認します。応力がある状態で長時間接触すると、短時間の外観確認では見えない変化が出ることがあります。

2. 温度は最低・最高・変化の速さで考える

周囲温度だけでなく、始動時の最低温度、連続運転時の部品温度、温度サイクルを分けます。低温ではトルク、高温では蒸発や油分離が選定課題になりやすくなります。

3. 荷重と速度は組み合わせで整理する

高荷重・低速と、低荷重・高速では求める油膜や抵抗が異なります。ギヤ、カム、摺動案内、軸受など接触形態も合わせて伝えると候補を絞りやすくなります。

4. 感覚的な要求を評価項目へ変える

「静か」「軽い」「高級感のある重さ」といった要求を、作動トルク、音圧・周波数、戻り時間、温度別の変化などへ変換します。

最後は実部材・実機で確認する

資料上の適合は候補選定の入口です。塗布量、すきま、表面状態、組立ばらつきまで含めた実機評価で、初期性能と寿命後の変化を確認します。EUBOへの相談時は、分かる項目だけでも共有すると確認が進みやすくなります。

本記事は一般的な選定の考え方です。個別製品の採用可否や法規適合を保証するものではありません。最新のTDS・SDSと実機評価を優先してください。